接地(アース)とは?
- 接地とかアースとかよく聞くけどどういう意味なの?
- 接地はどうやってするの?
- 接地しないとどうなる?
当サイトではこのような疑問にお答えしていきます!
結論
接地とは電気設備と大地を電気的に接続すること。接地をしないと、感電する恐れや電気設備が不具合を起こす可能性がある。
この題目について解説していきます。
1.接地(アース)の意味
電気設備と地面を電気的に接続することを接地(アース)と呼びます。あまりピンと来ないかもしれませんが、その理由も分かります。というのも、普段何気に使用している商用電源(コンセント)は接地されていて、特に意識することがないからです。
まず、このコンセントの先がどうなっているか説明します。電力会社が6.6kVの電圧を発電し、それを商用電源として使用するため100Vに変圧されています。このとき、電線は3本(単相3線式の場合)ありますが、E(アース)線は地面に接続されています。これと同じく、コンセントのE端子も地面に接続されています。このようにして、普段何気に使用している商用電源なども電気的に地面に接続されています。
2.接地しないとどうなる?
電気設備を地面と電気的に接続することを接地(アース)と呼ぶと説明しましたが、なぜ接地が必要なのかについて説明していきます。
以前、電流は電圧の高いところから低いところへ流れると解説しましたが
流れる電流は電流経路間にある抵抗値が低いほど大きくなります。つまり、電流は抵抗の低い方へ流れようとします。地面の抵抗はいったいどれくらいなのでしょう。抵抗値を算出する式はR=ρ・ℓ/S(ρ:低効率/ℓ:長さ/S:面積)。地面はS(面積)=∞と近似できるため、抵抗値は限りなく0に近づきます。
地面の抵抗がほぼ0ということは、電流は地面に流れやすいということ!これにどんなメリットがあるかというと
例えば、家電製品などが経年劣化などで絶縁抵抗が小さくなり、漏電していたとします。もし、その状態で誤って洗濯機に触れてしまったをしても接地していれば感電することはありません。人間の抵抗はおよそ5.5kΩです。そのため、人間よりも抵抗値の低い地面に電流が流れるためです。これが接地をする理由になります。
もう一つの理由は接地をすることで、基準電位を定めることです。以前、GNDに関する記事を書きましたが、電圧はどこに基準を定めるか決めてあげなければなりません。商用電源などは、地面を基準として100Vの電圧があるということです。
3.接地工事について
電流が地面に流れるためには接地抵抗が小さくなければなりません。接地抵抗とは
1.接地極の抵抗
2.接地極と地面間の接触抵抗
3.地面の抵抗
これらすべてを合わせた抵抗のことを指します。
実際に、接地をする際には接地極という大きな釘のようなものを地面に突き刺すのですが、法律によって接地抵抗が何Ω以下でなければならないという決まりがあります。
接地工事の種類 | 接地抵抗値 | 電圧の種別による機器 |
A種 | 10Ω以下 | 高圧用の電気機械器具の金属製外箱、避雷器などや高圧機器による感電等の災害防止 |
B種 | 計算値 | 高圧と低圧を変成する変圧器の低圧側1線 |
C種 | 10Ω以下 | 300Vを超える低圧電気機械器具の金属製外箱や金属管など |
D種 | 100Ω以下 | 300V以下の低圧電気機械器具や金属製外箱および金属管 |
4.まとめ
- 接地とは電気設備を地面と電気的に接続すること
- 接地の目的は「人が感電しないため」「基準電位を決めるため」
- 接地抵抗は条件によって抵抗値の決まりがある
今回は接地について解説してきました。もし、電気工事士試験を受験しようと考えてる方がいましたら、ぜひこちらの記事を参照してください。
以上、閲覧ありがとうございました!