電気用語解説

電気の送電方法「三相交流」のメリット・デメリットとは

電気の送電方法「三相交流」のメリット・デメリットとは

 

  • 発電所で作られた電気はどうやって送電されている?
  • 三相交流のメリット・デメリット(単相交流との違い)

今回はこう言った内容について詳しく解説していきます!

結論

三相交流とは3つの単相交流を、3本の電線で送ることができ、コスト・安全・効率面に優れた送電方法である。

 

1.電気の送電方法

私たちが日々使用している電気は発電所で生み出されています。発電所では、数千V~2万Vの電圧の電気を発電し、これを発電所に併設された変電所を使って、効率的に電気を送電線に送っています。

各発電所で生み出された電気(27万5000~50万V)は、変電を繰り返し配電変電所へ送られ6600Vまで降圧されます。この電圧は大規模なビルや中規模工場、街中の電線にも配電されます。6600Vになった電気は電柱の上にある柱上変圧器(トランス)で100Vまたは200Vに変圧され、引込線から各家庭へと送られます。

参照

このようにして、電気は休むことなく発電され、各家庭に送られ続けています。この発電した電気をいかに送電ロスをなくすかが重要な課題であり、最も効率的な送電方法と考えられているのが、「三相交流」による送電です。

2.三相交流のメリット・デメリット

続いて、三相交流についての説明をしていきます。

まず、三相交流を理解するために、「単相交流」について説明します。
単相交流とはその名の通り、一つの電源で負荷を動作させる回路です。

これに対して、三相交流とは120°ずつ位相がずれた交流が三つある送電方法です。この送電方法が単相交流と比較してどんなメリット・デメリットがるのかを表にまとめました。

メリット デメリット
  • 安全性が高い(発電機の負担が小さい)
  • コストパフォーマンス(送電線の節約)
  • 電力損失が少ない
  • 高圧のため漏電した場合は危険(海外では三相4線が主流)

上記のメリット・デメリットについて一つずつ解説していきます。

①安全性が高い
大きな交流電源を三つに分けて発電するため、発電機一つ一つの負担が小さく済みます。そのため、発電機にかかるストレスも小さくなるため耐久性や安全性が比較的高いです。

②コストパフォーマンス(送電線の節約)
単相交流で負荷が三つあった場合、行きと帰りで3×2=6本の電線が必要になります。
しかし、三相交流であれば三つの電線で済みます。
三相交流では位相を120°ずつずらしているため、電圧の和は常に0になります。電圧の和が常に0になるということは、送電線の帰りが必要なくなるということです。

三相交流では、単相交流と比較して必要な電線の本数は半分です。そのため、設備費用などを節約でき、コストパフォーマンスに優れているということです。

③電力損失が小さい
この内容については別記事にて詳しく解説しますが、電線もわずかながら抵抗として働いてしまうということです。そのため、単相3線式と三相3線式では、後者の方が電力損失が小さくなります。

 

3.まとめ

  • 三相交流とは、コスト・安全・効率面に優れた送電方法である。
  • 三相交流の電圧の瞬時値の和は常に0になる

 

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以上、閲覧ありがとうございました!