電気用語解説

三相交流【デルタ/スター結線】徹底解説

三相交流【デルタ/スター結線】徹底解説

 

  • 三相交流とは
  • デルタ(Δ)型結線とスター(Y)型結線の違いとは
  • デルタ(Δ)型結線とスター(Y)型結線のベクトルを使った考え方

今回はこう言った内容について詳しく解説していきます!

結論

デルタ(Δ)型結線は定電圧高電流、スター(Y)型結線は高電圧定電流を発生します。発電量は同じです。
デルタ(Δ)型結線:線間電圧=相電圧、線電流=√3×相電流
スター(Y)型結線:線間電圧=√3×相電圧、線電流=相電流

 

1.三相交流とは

三相交流とは、3系統の単相交流をそれぞれ120°(2π/3)ずつ位相をずらして組み合わせたものです。また、各瞬時値における波形の大きさは0になります。

相順 記号
第1相 R1 または L1
第2相 R2 または L2
第3相 R3 または L3

三相交流では、3つの相で最大電圧となるタイミングが均等にずれています。これは発電機において120度の間隔にコイルを設置し電磁誘導を行っているためですが、三相モーターで用いるのも同じ原理です。120度の間隔でコイルを設置することで、磁力が最も強くなるタイミングが順番に移り変わるため、容易に回転磁力を生み出せるのです。こうしてモーターの回転力を効率よく得ることができます

2.デルタ(Δ)型結線

  • 線電流=√3×相電流
  • 線電流は相電流よりπ/6(30°)位相が遅れる
  • 線間電圧=相電圧

線間電圧=相電圧であることは図の通り、負荷Zの両端の電圧を測定しているためです。

線間電流と相電流の関係ですが、キルヒホッフの第一法則を用いて線電流を計算します。

IR=I3-I1
IS=I2-I3
IT=I1-I2

上記の式についてついてベクトルで考えてみましょう!
IRはI3とI1の合成ベクトル表すことができます。I3と-I1のなす角は60°であるため、下図のように対角線を引くと1:2:√3の三角形ができます。この図形で辺の比を見ると、IR:I3=√3:1となります。つまり、IR=√3I3(線電流=√3×相電流)また、I3を基準とするとIRはπ/6(30°)位相が遅れています。

3.スター(Y)型結線

  • 線電流=相電流
  • 線電圧は相電圧よりπ/6(30°)位相が進む
  • 線間電圧=√3×相電圧

線間電流=相電流であることは図の通り、負荷Z通って中性点に向かう電流は一本道であるため同じ電流になります。

線間電圧と相電流の関係についてですが、Δ結線の時同様にベクトルで考えていきましょう。
相電圧VR・VS・VTはそれぞれのなす角が120°です。

また、VRS=VR-VS, VST=VS-VT, VTR=VT-VRの式で表されます。これをベクトル図で表してみると下図のようになります。
Vsと180°反対方向に-Vsを書きます。この-VsとVRの合成ベクトルがVRSです。あとは三平方の定理によって各辺の比を求めると1:2:√3になります。よって、
線間電圧=√3×相電圧という式が導けます。また、VRを基準とするとVRSはπ/6(30°)位相が進んでいます。

4.スター(Y)型結線

  • デルタ(Δ)型結線は定電圧高電流、スター(Y)型結線は高電圧定電流を発生する。発電量は同じです。
  • デルタ(Δ)型結線
    線電流=√3×相電流
    ②線電流は相電流よりπ/6(30°)位相が遅れる③線間電圧=相電圧
  • スター(Y)型結線
    線間電圧=√3×相電圧
    ②線電流は相電流よりπ/6(30°)位相が進む
    線電流=相電流


三相交流についてはこちらの記事も参照ください。

 

https://yosimarudenkiblog.com/17/

 

以上、閲覧ありがとうございました!