電気用語解説

GNDとは?アースとは違うの?

電気の勉強を始めると最初に理解に苦しむのがGNDの考え方だと思います。

私も最初は???という感じでした。

  • GNDってどういう概念?
  • 0Vってことだよね?
  • アースとは違うの?

今回はこう言った内容について詳しく解説していきます!

結論

GNDとは基準電位です。いつも0Vではありません。そのため、GNDとは広い意味で使うことができるのでGNDという母集団の中にアースが存在します。

1.電気の性質


まず電圧について考えてみましょう。電圧はよく「水の高さ」で例えられますが、落差が大きいほど水が勢いよく流れるイメージです。また、電流は「流れる水」に例えることができます。電流は必電圧の高いところから低いところへ流れます。この考え方は基本ですが、とても大事なことなのでしっかりと理解してから次のステップに進みましょう。



2.GNDとはいつも0Vではない!GNDとは基準電位である

GNDとは基準電位のことなのです。最初は私も何となくしか理解できていませんでしたが、乾電池を例に挙げて考えていきましょう。


乾電池の(+)極と(-)極を電圧計を使用して測定するとおよそ1.5Vくらいになります。その時、電圧計の測定プローブ(+)側はは(+)極、(-)側は(-)極をあたりますよね?このプローブの(-)側があたるところがGNDです!つまりこのときは乾電池の(-)極を基準電位としたときに(+)側は1.5Vの電圧があるということなのです。

次は乾電池を二個直列に接続したときについて考えていきましょう。1個目の(-)極と2個目の(+)極を測定すれば、およそ3Vくらいになります。これは先ほどと同じ考え方ですよね。
では、1個目の(+)極(2個目の(-)極)と2個目の(+)極を測定すれば電圧計は1.5Vを示します。この時のGNDは1個目の(+)極(2個目の(-)極)です。GNDとなっている乾電池の(+)極は1.5Vではないの?と思う方もいるかと思いますが、これが基準電位の考え方です。つまり、GNDとはどこを測定するかによって変わり、電圧計はGNDを基準(0V)として(+)側のプローブが何Vあるかを測定しています。

では、最後に応用として1個目の(+)極(2個目の(-)極)をGNDとして、電圧計の(+)側を1個目の(-)極にあてたとき電圧計は何Vを示すでしょう?乾電池1個の開放電圧は1.5Vです。乾電池の(-)極は(+)極より1.5V低いことになります。よって電圧計は-1.5Vを示します。以上がGNDとは基準電位であるということの説明です。

3.GNDとアースについて

GNDとは基準電位であるということについてはご理解いただけたと思います。次はGNDとアースの違いについて説明します。まず、アースとは地面に電路を接続すること=接地ですが、接地について知りたい方はこちらの記事を参照してください

せっちとは?

アースの場合は地面の電位をGNDとしています。そのため、商用電源(コンセント)の電圧は100V(50Hz/60Hz)ですが、これは地面の電位を基準としたときの電圧です。先ほど、乾電池を用いて説明しましたが、乾電池の(+)極や(-)極をアースとは呼びません。
GNDとは基準電位であるため、いろいろな場面で使用することができますが、アースとはあくまで地面基準であるということです。GNDという定義の中にアースがあると思ってください。

4.まとめ

  • GNDとは基準電位
  • GNDは電圧計で測定するときの(-)プローブ側
  • アースとは地面を基準電位としている
  • GNDという定義の中にアースが存在する

以上、閲覧ありがとうございました!